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人間失格

 太宰治の生誕何年とかで今わりと太宰が注目されているようだ。

 自分もちゃんと彼の本を読んだことがなかったので、図書館で「人間失格」を借りてきた。

 この人間失格、随分前にちょっとだけ読んだことがあったが全く印象に残っていない。しかし、今回読んでみて案外興味深くすらすら読むことができた。

 内面告白小説という体で、小さいころからいかに自分が他人を恐れて過ごしてきたかが書かれてある。人から嫌われないよう道化を演じ、みんなを笑わす存在になるもののそれがいつ地に堕ちるか不安でたまらない。青年になりますます心は不安で一杯になり、それから心中未遂を起こし、酒と薬に頼る生活になっていく・・・。

 かなり評価の高い作品であるのは分かる。しかし、この本を読んで何か得るものがあるだろうか、と思った。

 いつももがいいている主人公を客観的に見ると、人間って変に頭がいい分常に人の言動にビクビクし世間の評価にビクビクし、さらには自分自身の感情にもビクビクしてしまう哀れな生き物のように思えてしまう。そんなだったら知能は低くても野生生物のほうがよっぽどまともな生をまっとうしているのではないだろうか。

 太宰は玉川で自殺したらしい。あの頃の作家は自殺した人が多い。「作家=もがき苦しむもの」みたいな図式があったのだろうか。ああいう自殺も一種のブームみたいなものだったんじゃないだろうか。もがき苦しむのがかっこいいみたいな。

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